「五月のミル」原作より(2)
さあ、お母さんが死んだのでミルの家族たちが集まってきます。

と・・・いつも思うのですが、こういう設定って映画にありがち? 見方によっては映画的ともいえるかも。誰かが死んでその家族たちが集まってくる。「血がつながっている」というだけで、今まではそれぞれの生活を営んでいた者たちが集まり展開してゆく人間模様。「移動する」という映画的なプロットもしかり、そこには当然、財産相続をめぐる諍いもあるだろうし、兄弟姉妹の関係性も明らかになったり、また結婚・離婚などによって他人(異分子)が家族のなかに余儀なくはいってきて血族の根底が揺らいでゆく。そしてまたこれから家の名を継いでゆく子供たちの存在も大きい。お話の要素がこれだけたくさんあれば、映画のネタはつきないですね。
有名なところでいうとパトリス・シェローの『愛する者よ、列車に乗れ』だったり、これから公開するコリーヌ・セローの『サン・ジャックへの道』なんかも、遺言に動かされる兄弟姉妹たちを描いた映画ですね。

話をもどします。

ミルの娘カミーユ(ミウミウ)もこども3人連れて旦那と屋敷に向かいます。でも時は五月革命のまっただ中、車で移動中、デモをしている連中に道路をブロックされてなかなか先に進まない。彼女はこの革命に大反対。街頭でチラシを配っている若者たちのことをこう批判します。

Regardez-les qui font les malins. Toutes les occasions sont bonnes pour se la couler douce.

ほら、あの得意げになってる連中をごらんなさいよ。(彼らにとっては)この革命はのらくらするためのきっかけに過ぎないのよ、というようなことを言っています。
se la couler douce は「のんびり暮らす」という意味のエクスプレッション。

そしてこのカミーユの娘フランソワーズがまた楽しいのです。好奇心いっぱいの年頃で、大人たちの会話を盗み聞きしては「疑問」をミルに投げつけます。

カミーユと、彼女の幼なじみであり今は公証人のダニエルはちょっと怪しい関係。
フランソワーズはこの二人の立ち話を小耳にはさみます。どうやらダニエルはまだ独身のもよう。結婚しなくてもだいじょうぶ、今は“ピル”があるからね。という会話をしっかり聞いていたフランソワーズ、夜になってミルお爺ちゃんにさっそくクエッション!

Françoise : Papie...
Milou : Oui ?
Françoise : C'est quoi, la pilule ?
Milou : C'est le progrès.



「五月のミル」原作より(3)
| 2007/02/17 - 14h | 原作「五月のミル」より | Comment (0) | この記事のURL |


<<「五月のミル」原作より(3) | TOP | 「五月のミル」原作より(1)>>
コメント














管理者にだけ表示を許可する

| TOP |