「五月のミル」原作より(4)
最初から読む

遺産相続は、お母さんの遺言どおり屋敷や土地、家具や食器、宝石などいろんなものを均等に分けなければなりません。そして財産の中に“コローの絵”があったのですが、飾ってあったはずの壁からいつの間にか絵がなくなっています。そのときの会話。

George : Le Corot est vendu ?
Milou : Oui. Pour refaire le toit.
Claire : C'est toi qui l'as vendu ?
Milou : Oui, par antiquaire de Bordeaux, un ami de Camille.
Claire : Tu t'es sûrement fait rouler.


ジョルジュ「コローの絵を売ったのか?」
ミル「屋根を修復したんだ」
クレール「あなたが売ったの?」
ミル「ああ ボルドーの古美術商に カミーユの友だちだ」
クレール「だまされたんじゃないの」

rouler には「転がる・走る・巻く」以外にも、「丸め込む・だます」という意味があって、se faire rouler で「だまされる、丸め込まれる」。

また、最近わたしがハマっているフランスのTVドラマ「ジュリー・レスコー」の中でよく聞こえてくる表現がこれ。

Ça roule !

特にウンゲマ兄ちゃんがよく言ってますね。
「すべて順調」という意味ですが、字幕では警察内の会話なので、上司からの命令に対し「了解」となっています。

また余談ですが se faire + inf. の使い方で知っておくといいことがあります。
これは文法に詳しいわたしの友人から聞いたのですが、se faire には「当人(se)の意思(volonté)」がそこにあるということ。
ですから上の場合、言葉の裏を訳すと「ミル自身が納得した上で絵を売った結果だまされてしまった」という感じになります。
あとよく使う表現でこんなのも・・・

Elle s'est fait renverser par un camion.(彼女はトラックにはねられた)
Je me suis fais volé.(盗まれた・泥棒にあった)

これなどは、上は、車が後ろから来たとか前から来たとか、ひき逃げされたとかぶつかったとき5m飛んだとか、そういう詳しい状況は抜きにして、「彼女は気をつけていたんだけどトラックにはねられてしまった」という意味合いがふくまれ、
下も同様で、まさか好き好んで泥棒にあう人なんていないわけだから「気をつけていたんだけど知らない間に財布(など)を盗まれていた」という感じかな。
このへんの「se faire の感情移入」に関しては人それぞれ、またその状況に応じていろいろと解釈ができるとおもいます。

ですから本など読んでいて se faire + inf. が出てきたときは、その裏の解釈も考えながら読むと言葉に含みが出てきますね。・・・というか、わたしが細かいことにこだわりすぎなのか?
というか、単純になぜ Elle est renversée par... と言わないのかなあと・・・おもってしまうわけですよ。


「五月のミル」原作より(5)
| 2007/02/19 - 11h | 原作「五月のミル」より | Comment (0) | この記事のURL |


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