映画のなかのフランス語
外国語の勉強をはじめるきっかけというのは人それぞれだとおもうのですが、多くの人がそうであるように、わたしも映画がきっかけでした。
年代的にわたしはゴダールとかベネックスだったんですが、映画のなかで言っている台詞が原語で聞き取れたらどんなにいいだろうとおもい、期待を胸にフランス語の学校に通いはじめたのが今から20年以上前。

当時は横浜ではなく関西に住んでいたので、京都にある日仏学院に行ったんですが、そこの館長さんがすごく男前で(笑)、彼のクラスを取りたいなあと努力したんですが(もうここで目的が変わってる)、残念ながら館長さんは上級者だけのクラスを担当、わたしが入った初心者のクラスの先生は、腹の出かたとうさぎのイラスト入りTシャツのミスマッチがある意味個性的なおじさんでした。

数年前に京都に行ったとき日仏に寄ってみたら、まだその先生はいらっしゃったようなのでここで名前は伏せますが(笑)、当時の、まだフランス語なんてなんにも知らなかった時代が、その先生の名前を見たときに走馬灯のようにかけめぐってしまったのを覚えています。

別にわたしはここで思い出話をするつもりはないのですが、実はわたし、そこではじめて字幕なしのフランス映画を観たのですね。
んで… その衝撃といったら! もうぜんぜんわかりません(笑)
今では、こんな映画あるんか?といわれるようなブレッソンの「白夜」も、たしかそこで観たとおもいます。(日本で「白夜」というとヴィスコンティですもんね)

東京にある日仏学院でも、字幕あるなしにかかわらず映画の上映会が定期的に行われていますが、この字幕なしの映画を観る勇気というか、わからなくても観つづけるずぶとい根性というか、言葉がわからなかったら映像だけで理解しろというか、映画は素で観るものという精神を、わたしはそこで学びました。これってけっこう大きかったです。もしかして語学の上達よりも大きかったかも。というか、実際そこの学校に行ったのは半年ぐらいだったので、フランス語の上達なんて微々たるものでしたし。

わたしが言うまでもない当然な事実としてあるのが「サイレントをご覧なさい」ということで、良い映画というのは字幕がなくても話の展開がおぼろげながらわかるものなのですね。
じゃあゴダールは何だ?とつっこみされそうですが、字幕があってもわからない映画作家の代名詞として君臨し続けてるあのおやじは特別ですから。映画は死んだ!と勝手に思い込んで、映画を生き返らせようと戦いを挑んでいるようなところがあるので、この際彼の映画は除外しましょう。

おもうに、字幕というのはシークエンスの要約みたいなもので、観客に映画の内容の進行具合をわからせるためのもので、はっきり言って、例えばフランス映画に関して言えば、フランス語のエスプリみたいなものは字幕にはでません。というか、出せません。


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| 2006/10/12 - 12h | 映画のなかのフランス語 | Comment (4) | この記事のURL |


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コメント
ありがとう
ボアさん☆こんにちは

お!イベリア半島にお住まいなんですね!
イベリアって異国的な響きでステキ。
以前書き込みしてくれたときはヨーロッパ在住としか書いてなかったので、密かにどこにお住まいなんだろう?とおもっておりました(笑)
じとっと日本に長い間住んでいると、外国在住の方が無性にうらやましくなります。

フランス語をはじめたきっかけ、ホント人それぞれですね。
それでも結局つまるところ、人とコミュニケーションを取りたいという思いにつきるとおもいます。映画のダイアログを理解したいというのも、最終的には、理解したことを使うことにつながるわけですし。

話がズレるかもしれませんが、旅って一人旅の方が語学は上達するのですよね。
一番最初にわたしがフランスに行ったときは、いわゆる現地自由行動のツアーでして、さらに友人といっしょだったので、使う場所といったらレストランや買い物、ホテルの中だけでしかフランス語は使わず、ある意味消化不良気味で帰ってきたのですが、
二度目に行ったときは、パリに在住している友人がいても、その人と会ったのは最初の日だけ。わたしはほとんどパリ以外の場所をあちこち見て歩いたので、99%まったくの一人旅でした。
誰も助けてくれる人もおらず(笑)、空港に着いたときから、間違ってるのか合ってるのかわからんフランス語をしゃべりまくりました。
お陰で日本に帰ってきたときは頭がすっかりフランス語化していて、成田に着いたとき、うっかり人にぶつかったとき思わず「Pardon!」と…(笑)
たった2週間の旅でこれだけだから、住んだらもっと上達するのだろうなと思いながら、こっちに仕事もあるし、なかなか「住む」ことまでは踏ん切りがつかないでいます。

アリアンスでジャメルのジョークを理解したいって 言ってみればよかったのに(笑)
以外と喜ぶかもしれませんよ。フランス人って、率直で人と違うことを言う人と会うと喜ぶんですよね。

>そしてその背景にある文化を理解してから やっとわかる言葉もある。

そうなんです。フランスに住んでいれば当然わかっていることも、日本にいるとわからないことも多々あるのですが、まあその辺は本や映画、TVなどを見て補っていこうかと。
フランス人と接する機会がひじょうに少ないというのが難点ではありますが。

こちらのブログは、まだはっきりとした方向性がないまま立ち上げてしまったのですが、ぼちぼちやっていきますのでよろしくです。
続けていけば何か形になってくるだろうとおもいつつ…。
by:グリグリ@管理人 | URL | 2006.10.16 09:02 [編集] |
フランス語がわかるようになりたい!って思ったのは、15年前にチュニジアに行ったときでした。昔のマシュー・ブロデリックのような美少年から、タジンを買って、話しかけられたんだけど、まるでわからずくやしかったです。

その後何故か違う国に住むようになり、この国での親友がフランスに移住してから
毎年フランスにいくようになりました。
同じラテン語系なので、簡単に学べると
思いきや、年のせいか苦労しています。

国際結婚して、亭主と喧嘩して(何故か)
ピレネー山脈のふもとまで一人旅をしたとき
地方のフランス人の優しさに触れました。
帰ってきて「よし、フランス語を学ぶぞ」って
決意したのが6年前。

アリアンスで「フランス語を習う動機は?」
と聞かれて、「ジャメルのジョークを理解したいと思うので」とは、さすがに恥ずかしくて
言えませんでしたが(笑)つまり、ぜんぜん
アカデミックでない切り口から、気軽に
フランス語へ近寄っていってしまったのです。

そして今では、友人の子供の子守をするたびに、この子らと意思が通じる喜びを感じます。

そんなとき、猫さんのブログを発見して
とても嬉しかった。このブログでは、ベルランなどにも触れていかれるのかな、とも思っていました。言葉は本当に生きていますね。
そしてその背景にある文化を理解してから
やっとわかる言葉もある。

お仕事お忙しいでしょうが、ぜひ続けてください。楽しみにしています。

イベリア半島発 ボアより
by:boa | URL | 2006.10.15 09:08 [編集] |
takagi さん☆
こんにちは。お久しぶりでございます。

takagiさんのブログ、いつも拝見させてもらっていますよ。
毎日発信されるフランス映画などの情報にはいつも助かっています。
そのtakagiさんが、フランス語に泣かされているんですか〜(笑)?
でも普段泣かされているからこそ、仏検1級に受かったんですよね。
合格おめでとうございます! わたしはまだまだ勉強足りません。
わたしはどうも試験というのが苦手で、一度落ちてしまうと二度目にチャレンジという精神がないんですよね。

このブログは、長い間サイト運営していくなかで、どういう人が見にきてくれているのかだいたいわかっているのですが、映画好きな人は多くても、フランス語に興味のある人はそんなにいないだろうという思いから、言葉に関して思いきり書けなかったところがあって、でもわたしにとって、「フランス映画」と「フランス語」というのは同義語であるわけで、だから今までちょっと不完全燃焼気味なところがあったのですが、最初は、今でさえ忙しいときがあるのにブログ増やして続けていけるのか?っておもったけど、とりあえず立ち上げてみました。(←すげー長い文だとおもいます 笑)
更新率は少ないとおもいますが、よろしくお願いします!

字幕なしの映画がどれくらいわかるか?というのは、映画の内容にもよるところが多いのですが、わたしの場合、歴史ものは完璧にアウトです。あと今流行の(?)バンリューものとか、若者が早口でしゃべりまくる映画もきっとほとんどわからないとおもいます。
個人的にわかりやすいのはポリシエものだったりするわけですが、でもこれって、単なる好みかもしれません(笑)
あと推理ものというのは、謎と解くために観客にわかりやすいように作られていたりするので、フランス語多少理解できなくても映像見てればわかる部分が多いのでしょう。きっと。

ボキャブラリーに関しては、フィルム・ノワールに限らず永遠のテーマです(笑)

>2度、3度と回数を重ねて行くうち、聞き取れなかった台詞が理解できる瞬間が必ずやって来る

そうそう、そうなんですよー! お互いがんばりましょうーね。

Merci infiniment !
by:グリグリ@管理人 | URL | 2006.10.12 22:13 [編集] |
グリグリさん、どうも。フランス語に泣かされ続けて20数年・・・そんな僕には興味深いブログですね。また覗かせてください。

>字幕なしの映画を観る勇気というか、わか>らなくても観つづけるずぶとい根性
これ痛いほど分りますね。僕もさすがに活字なら辞書を引かせてもらえるなら、かなり理解できると思いますが、無字幕のフランス映画を見るたびに落ち込みますね。自慢になりますけど、僕は仏検も1級に合格しましたが、字幕なしのフランス映画はそう、半分位しか理解できないと思いますね。グリグリさんの好きなスラングの多いフィルム・ノワールなんかだと、さらに理解力落ちますよ。フランス映画のDVDをよく買うのですが、まだまだ字幕が付いているのは限定されていますね。でも分らなくても見る、見続けることが大切なんですね。2度、3度と回数を重ねて行くうち、聞き取れなかった台詞が理解できる瞬間が必ずやって来るんです。字幕を読んでいる間はその瞬間はなかなかやって来ないんですよね。

そうか、このシーンのヴィルジニーは、XXって言ってたんだ〜ぁと分った時の喜びは彼女と映画祭で握手した時と同等の喜びを僕にもららせてくれるんです。

長々とすいません。お互いがんばりませう。

Bonne continuation!
Amicalement

takagi
by:takagi | URL | 2006.10.12 18:49 [編集] |














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